私たちは学校に行って勉強することができます。勉強の好き嫌いに関わらず、勉強する場所があってそこに行くことができます。私たちにはいくつになっても知りたいことを知る、学びたいことを「学ぶ権利」があって、それが「保障」されているからです。
知的障がいのある人はどうでしょうか。養護学校高等部までは勉強できる場所があり、行くことができます。しかし、高等部を卒業してから「こんなことを知りたい」「こんなことをやってみたい」と思っても、行くことができる、勉強できる場所があまりありません。
学ぶということは小学校から大学までと限られたものでしょうか。例えば40歳から料理教室に通う人もいます。退職後に絵画を始める人もいます。人生のあらゆる時期に学び発達・変化することがあります。知的障がいを持った方も同じです。学校を卒業したらもう変わらないだろうと諦めるのは変な話です。自分の生活を楽しくするために色んなことを学ぶのに年齢は関係ありません。
そこで大阪府立大学社会福祉学部の安藤研究所が『知的障がいのある人のためのオープン・カレッジ』を始めました。この活動は一気に広がりを見せ、参加した人や新聞記事を読んだ人が、各大学で「オープン・カレッジ」を、各地方で「とびだせ!オープン・カレッジ」を始めるようになりました。
恵愛福祉事業団は昭和23年設立当初より71年の歴史を「生かせいのち」の福祉理念に基づき経営されてきました。オープン・カレッジの根底にあるのもやはりこの「生かせいのち」です。
白鳥園では前理事長の「障がい者のための大学をつくる」と言う熱い思いの下、2002年より「とびだせ!オープン・カレッジinかがわ」が始まりました。
オープン・カレッジの目指すところは大学教育・生涯教育を通じて人としての人権・発達・学ぶ権利の保障を実現するためであり、2018年までに40回の公開講座を行ってきました。
2002年から始まったオープン・カレッジですが、始まった当初は白鳥園内の体育館や地域の公民館・小学校での開催でした。初めての取り組みで戸惑うこともありましたが、参加者の熱い思いと受講生の笑顔で充実した内容でした。
勉強できれば場所は関係ないと思われるかもしれませんが、やはり学校の門をくぐり、教室があり、机に向かって勉強する。大学の有する資源を、障がいのある方の学びの場として提供するのが本来のオープン・カレッジではないか・・・と言うことで、2011年より四国医療福祉専門学校で、2017年からは高松大学で開催しています。
受講生は地域生活をされている18歳以上の知的に障がいのある方を対象とし、地域の事業所や養護学校卒業生に募集をしています。2年制カリキュラムを導入し、講義内容は午前中が栄養学で食についての勉強をした後でおやつやお弁当つくりの調理実習を行います。午後からはムーブメントやよさこい踊り、タイルアートなどを行なっています。参加延べ人数は1,000人を超えるほどになりました。
オープン・カレッジは受講生が主役です。好きなことを選んで、興味のあることや生活に役にたつことを学べます。色んな事をやってみたり、自分の気持ちをどんどん言って欲しいと考えています。わからないことやできないことがあっても安心してもらえるように学習サポーターが一緒にいます。色んな人と出会って、友達を増やし充実した人生の手助けとなればと思っています。
オープン・カレッジに興味のある方、是非参加して下さい! お待ちしています。
電話 : 0879-25-1188
白鳥園 オープン・カレッジ実行委員会 植田
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